Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
申請者はこれまでに、脊椎動物の発生において重要な働きを持つと考えられるレチノイン酸(以下RA)が、眼の形成に関しどの様に働いているのかを明らかにする目的で、以下の研究を行ってきた。(1)新規ニワトリRA合成酵素(chicken aldehyde dehydrogenase 6)の機能解析:RAは前駆体であるRetinaldehydeから数種類のRA合成酵素により作られる。申請者は眼に存在する高濃度のRAを作り出す未知の酵素に注目し、その単離に成功した。単離された新規のRA合成酵素は眼の腹側3分の1で発現しており、既に報告のある眼の背側3分の1で発現するRA合成酵素よりもRA合成能が10倍高いことを明らかにした。このことは眼の背側から腹側にかけてRAの濃度差が存在することを示唆する結果である。(2)眼の形態形成異常に注目したメダカ変異体解析:眼の形態異常に注目したメダカ変異体スクリーニングを行い、眼及び前脳の形成に異常を持つ変異体を多数得た。(3)脳の領域化開始時期の解明:メダカ初期胚における個々の細胞の動態を観察し、コンピューター上でそれらを総合的に提示・解析することにより、終脳・間脳・中脳等の領域が形成される時期を特定した。
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