Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度においては,まずこれまでに確立したホスファメタロセンの合成法を利用して,これまでと異なった不斉置換基をもつ新しいホスファメタロセンの合成を検討した。具体的にはこれまでのメンチル基をより不斉誘起能の高いと思われるビナフチル基へと変換する試みを行った。しかしこの際,その前駆体となる不斉ホスフォールの合成には成功したが,このものをアルカリ金属試薬と反応させることによって還元的にホスフォールアニオンに変換しFeCl_2と反応させる段階で反応がうまく進行せず,ホスファメタロセンの合成は失敗した。この原因は新たにホスフォール骨格に導入したビナフチル基がこの反応段階においてラジカルを安定化することによって起こるものであると考え,次にこの不斉部分にH_8ビナフチル基を導入することによってこの問題の解決を試みた。予想通りこの場合,反応はうまく進行し,目的のH_8ビナフチル基をもった新しいホスファメタロセンが合成された。合成されたホスファメタロセンはパラジウム触媒によるエンインのヒドロシリル化反応においてこれまで報告されているものの中で最も高いエナンチオ選択性を示すことが分かった。 また,ホスファメタロセンの合成を検討する際に,ジホスファルテノセンの新規合成法を開発することに成功し,本反応の一般性についての検討も行った。この結果,反応を効率よく進行させるためにはルテノセンの前駆体であるホスフォール骨格に嵩高い置換基を導入しなければならないことが分かった。
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