プロスタノイド受容体欠損マウスを用いたアレルギー性皮膚疾患発症機構の解明
Project/Area Number |
00J03640
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Dermatology
|
Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
椛島 健治 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | プロスタグランジン / トロンボキサン / 接触皮膚炎 / ケモカイン / アトピー性皮膚炎 / 皮膚免疫 / ランゲルハンス細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
トロンボキサン受容体(TP)欠損マウスをC57BL/6に10代、Balb/cマウスへ10代戻し交配を行った。これらのマウスにTh1型反応の代表である接触皮膚炎モデルと、Th2型反応の代表であるアトピー性皮膚炎モデルを適用し、トロンボキサンの免疫、炎症への関与を検証した。接触皮膚炎モデルでは、WTに比べTP欠損マウスにおいてハプテン塗布による著しい耳介腫脹、頸部リンパ節腫大が見られ、さらに頸部リシパ節ではTh1型サイトカインであるIFN-γの産生の亢進も認めた。このリンパ球を同一のハプテンでin vitroにて再刺激するとTP欠損マウスで強いチミジン取り込みも見られ、TP欠損マウスで抗原特異的な免疫反応が亢進している事が確認された。ランゲルハンス細胞に置いては遊走能、Co-stimulatory moleculeの発現レベルに差は見られなかったことより、トロンボキサンが直接Tリンパ球に作用している事が示唆された。一方、アトピー性皮膚炎モデルでは、TP欠損マウスにおいてLate phase reactionの亢進や組織学的に好酸球の強い浸潤などが見られた。IgEの産生もTP欠損マウスにおいて亢進していた。 さらに、免疫、炎症反応における遺伝子発現プロファイルをGene Chipを用いて解析したところ、TP欠損マウスではSPF環境化においてもリンパ節において免疫活性化に関する遺伝子群の発現プロファイルが上昇していることが明らかになった。したがってTP欠損マウスは外来抗原に対して野生型マウスより強い外来抗原に対する応答を有していることが示唆された。 以上より、トロンボキサンがアトピー性皮膚炎を始めとするアレルギー性皮膚疾患において炎症を抑制する機能を有している事が示唆された。 一方でプロスタグランジン(PG)E2受容体のサブタイプの一つであるEP4欠損マウスにおいて接触皮膚炎反応の減弱を認めた。そのメカニズムにランゲルハンス細胞の遊走能とT細胞活性化能の減弱によることを明らかにした。 以上より、トロンボキサン、PGE2が炎症性皮膚疾患において重要な役割を果たしていることが示唆され、今後、治療への応用を図りたいと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)