Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
1.昨年度に引き続き、X線観測衛星ASCAを用いて小マゼラン雲のX線撮像・分光観測を行い、新たに発見した中性子星や超新星残骸の解析結果に基づいてそれらのX線放射機構を考察した。また、小マゼラン雲のX線源の種族分布を系統的に調査し、同銀河の星生成活動の履歴を明らかにした。この結果を学術雑誌にレビュー論文として投稿、受理された(Yokogawa, J. et al. 2003)2.X線観測衛星Chandraを用いて我々の銀河系内の星生成領域(オリオン分子雲)のX線高分解撮像・分光観測を行い、前主系列星のX線データの解析を行った。この結果、(1)中質量(太陽質量の2倍から10倍)、小質量(同0.2倍から2倍)、極小質量(0.2倍以下)の前主系列星が同じX線放射機構を持ち、その活動レベルが質量によってスケールされること(2)中、小、極小質量前主系列星のX線放射機構が、低温度成分と高温度成分の重ねあわせであり、それぞれコロナ、フレアを起源とすることをはじめて示した。3.オリオン分子雲を、ハワイ大学88インチ望遠鏡を用いて近赤外線で観測した。1448個の近赤外線源を検出し、それらの位置と光度を求めた。Chandra衛星のデータを対比させ、X線を放射する原始星、褐色倭星の候補をそれぞれいくつか発見した(Tsujimoto et al. 2003)。4.近赤外線対応のないX線天体を、VLA望遠鏡を用いて電波で観測した。その結果に基づき、高速ジェットによって生じたプラズマを起源とするX線放射の存在を始めて提唱した(Tsujimoto 2003)。
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