Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度の研究計画は,いわゆる「心の理論」研究でいう二次的信念に関する再帰的な心的状態の理解の研究を実施することであった。その結果,以下の2つの成果をあげることができた。 第1に,日常的なコミュニケーション場面における再帰的な心的状態の理解の役割を、「心の理論(theory of mind)」と「関連性理論(relevance theory)」という2つの理論をもとに,さらに発展して考察することができた。 第2に,昨年度の研究で必ずしも明らかにできなかった「他者の行為の道徳的判断に関する再帰的な心的状態の理解」についての明確なデータを得ることができた。具体的には、2つの似たお話を提示して,「どちらの男の子がよりよくないことをしましたか?」というように尋ねる形式であった。2つのお話はともに,男の子が女の子に何かをして,女の子に悪いことが起こるものであったが,「『女の子の信念』についての男の子の信念」という再帰的な心的状態を理解できたときのみ区別が可能で、どちらの男の子がより悪いかを決定できる課題であった。昨年度の調査と同様に,児童(小学1,3,5年生)を対象に実施したところ,以下のことが判明した。 1.再帰的な心的状態の理解は1年生では難しく,3年生以降に理解できるようになること 2.再帰的な心的状態の理解が必要になる道徳的判断において,3年生以降に正確な判断ができるようになること 3.再帰的な心的状態の理解と道徳的判断の間に,明確な関連が見られること
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