Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
最終年度にあたる平成14年度は,震源の物理に基づいた広帯域強震動(0.1-10Hz)シミュレーションの確立を目指し,強震動生成にかかわる不均質な震源特性の周波数依存性が推定された。そして,主にすべり量と密接に関わる低周波数側の破壊過程と,断層の開始・成長・破壊過程を敏感に反映すると言われる高周波数側の破壊過程を明らかとなった。この結果は,不均質な震源過程はランダムではなく,アスペリティ破壊の成長過程に応じた波の励起に統一的に支配されていることを意味する。 1.広帯域強震動のためのすべり速度時間関数に関する研究:1995年兵庫県南部地震について,低周波数域の波形インバージョンをより高周波数域に拡張する震源インバージョン法が試みられた。ここでは,低周波数波形インバージョンで得られたすべり速度時間関数に,高周波数スペクトルレベルに比例した振幅をもつインパルス的な関数を重ね合わせることで,広帯域強震動再現のえめのすべり速度時間関数が表現された。解析の結果,低周波数震源モデルで得られた値の約2-3倍の最大すべり速度を持っKostrov型のすべり速度関数が効果的であることが確認された。 2.震源過程が有する周波数依存性に関する研究:1989年米国・ロマプリエータ地震を例に,各周波数帯域における地震波がもつ性質を考慮した重み付き複素スペクトルインバージョンを導入することによって,周波敷帯の推移にしたがって変化する震源像を求めた。解析の結果,既往の研究から求められているアスペリティの内部で低周波すべりが生成され,周辺部に近づくに従ってより高周波すべりが励起される様子が示された。(本研究は米国スタンフォード大学と行っている日米共同研究の一部である) 3.動力学的マルチアスペリティモデルに基づく強震動予測手法の開発:昨年度行った,内陸地殻内地震の巨視的・微視的震源パラメータの経験的関係式に基づく震源のモデル化(入倉・三宅,2001)に,動力学的マルチアスペリティーモデルを導入し,内陸地殻内地震に加えて海溝型地震の強震動予測手法を開発した(入倉・三宅,2002;入倉・他,2002;・入倉・他,2003)。動力学な物理モデルを導入することによって,アスペリティやその周辺の応力降下量の拘束が可能となった。 研究成果は日本地震学会および米国地球物理学連合大会にて上記の内容を発表した。なお、3.の内容は既に査読付き論文にて公表されており、1.2.については投稿準備中である。
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