Project/Area Number |
00J03745
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
川浦 知子 三重大学, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バクテリオファージφX174 / リポ多糖 / 相互作用解析 / 酵素リンク法 / 部位特異的変異体 / 円偏光二色性 / 蛍光滴定法 |
Research Abstract |
小さな正20面体ウイルスであるバクテリオファージφX174は、一本鎖環状DNAとF, G, H, Jの4種類のタンパク質から構成される、最も単純なファージの一つである。正20面体の各頂点に存在する5つのGタンパク質と1つのHタンパク質で構成されるスパイクと呼ばれる突起を持っている。φX174は大腸菌C株などを宿主としており、感染の際には前述のスパイク部分で細胞表面のLPSをレセプターとして認識し、カプシドの変形を起こし、DNAを放出すると考えられている。本研究では、φX174の宿主認識におけるGタンパク質の機能とレセプター側のLPSの構造的な要請について検討を行った。得られた結果を総合的に考察することにより、タンパク質による糖鎖並びに糖脂質認識の一機構が分子レベルで解明できるものと考えられる。 今年度はHisGのアミノ酸配列において、LPSの持つリン酸残基やKDOの持つ負荷電と相互作用すると思われる、タンパク質表面に位置するLys86,Arg134,Lys154をそれぞれAlaに置換した変異体K86A, R134A, K154Aを遺伝子工学的に調製して、LPSとの結合能を検討した。他の変異体は野生株と大きな差は見られなかったが、K86AはLPSとの結合による立体構造変化が著しく低下した。ウイルス粒子上のGタンパク質は、8本の逆平行β-バレル構造をとっているが、Lys86が2つのβ-シート間を繋ぐループ構造の近傍に位置しており、比較的自由に動くことが想定されることから、LPSとの相互作用に極めて重要な残基の一つであると考えられた。しかし、複数の正荷電残基を化学修飾した場合には、結合力・立体構造変化の両方が低下した事から、LPSとの結合にはLys86以外の正荷電残基も寄与することが示唆された。
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