Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本課題の最終年度として、本年は咋年度までに開発を達成したRNAの高効率反応促進剤を用いて、アミダイト法の特長を活かし、実際に機能をもつ修飾RNAの合成を試みた。具体的な標的化合物としては、生物が体内に持つトランスファーRNAのアンチコドン部分に存在するN_4アセチルシチジンを含むRNA4量体および17量体を選んだ。本化合物の合成にあたり、既存の方法を用いて合成を達成できずにいたChow博士(Wayne State University,アメリカ)と共同研究を行うこととし、平成14年6月末より渡米し、同博士指導のもと実験にあたった。 RNA4量体の合成は液相合成法に基づき、トリフルオロメタンスルホン酸N-フェニルイミダゾールを反応促進剤に用い、アリル保護ホスホロアミダイトとヌクレオシドを化学量論量使用して縮合反応を行った。3量体の合成までは予想通り反応が進行したが、4量体の合成の際には等量反応では目的物を定量的に得られることができなかったため、やむを得ずアミダイトおよび反応促進剤を過剰量用いて反応を行った。その後、得られた4量体の各保護基の脱保護を行ったのち精製をし、目的物を得ることに成功した。またRNA17量体の合成は、アリル保護ホスホロアミダイト法による固相合成法に基づいて行った。固相合成にあたり、N^4-アセチルシチジンは塩基に対して非常に不安定であるため、濃アンモニア水を用いて切り出しを行う、市販のサクシニルリンカーをもつ固相担体を使用することができない。したがって非常に穏和な条件で切り出しが可能なヒドロキノン-0,0'-二酢酸基をもつ固相担体の合成からまず行った。得られた固相担体を用いて固相合成機上で17量体の合成を行ったのち、アリル系保護基の除去、TBAFによるTBDMS基の除去および固相担体からの切り出し、精製を行った。現段階では得られた化合物の完全な同定には至っていないが、非常に近いうちにその構造および物性を確認できると考えている。
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