Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
南アフリカIRSF1.4m望遠鏡と専用赤外線カメラを組み合わせて我々の銀河系内の星形成領域の観測を行った。対象はおおかみ座星形成領域。小規模ではあるが星団形成が行われている場所であり、マゼラン星雲での星団形成との比較のために行った。おおかみ座星形成領域は我々の近くにあるために詳しく調べる事ができるというメリットもある。この観測からは若い星団についての新たな知見(^*1)に加えて、予想もしなかった現象が観測された。星形成領域にある暗黒星雲は、可視光では背景の星の光を吸収して真っ暗に観測されるが、近赤外線では暗黒星雲自体が光る星雲として観測された。今回のような非常に密度の濃い暗黒星雲では初めてのことである。この現象は背景の星々からの近赤外線を暗黒星雲中の塵が反射することで説明がつくことが、表面輝度や背景の星からの輻射量から分かった。暗黒星雲の背景の星も多く観測され、それらの星の赤化量から塵の柱密度を見積もることもできた。近赤外線での星雲のカラーは塵の柱密度と関係があることがわかった。今回の結果は暗黒星雲中の塵の性質にも新たな知見を与えた。暗黒星雲中の塵のサイズ分布は未だによくわかっていないが、古くから広く使われているモデルとして、Mathisらのモデルがある。この近赤外星雲の表面輝度を説明するためには、Mathisらの塵のサイズ分布モデルと比べて、少なくともおおかみ座暗黒星雲の中には大きな塵がより多く存在する必要があることがわかった。おおかみ座での若い星団についての新たな知見(上記^*1)は、この領域では若い星が空間的に年齢順に並んでいることである。前年のマゼラン星雲の星団の観測では、数十パーセクという非常に大きなスケールでの継続的星形成が起こっていることを示唆した。おおかみ座領域でも非常に小さなスケール(数パーセク)ではあるが、同様な継続的星形成が起こっていることが示唆された。マゼラン星雲と我々の銀河系での星団形成の比較をする上で興味深い結果である。
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