Wntシグナル伝達系を制御する新規キナーゼカスケード
Project/Area Number |
00J04204
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
石谷 太 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Wntシグナル伝達系 / キナーゼ |
Research Abstract |
Wnt/β-catenin経路は、発生制御に関わるシグナル伝達経路である。細胞がWnt分子を受容すると、細胞質中のβ-cateninが安定化されて、転写因子TCFと複合体を形成して、標的遺伝子の転写を活性化する。これまでに私は、MAP triple kinaseであるTAK1とMAP kinase-like kinaseであるNLKが、Wnt/β-catenin経路を負に制御することを明らかにしている。TAK1はNLKを活性化し、活性化されたNLKはTCFをリン酸化する。このリン酸化によりβ-catenin-TCF複合体による転写活性化が抑制される。 今回、私は、Wnt-5aと呼ばれる細胞外リガンドがこのTAK1-NLKカスケードを活性化することを明らかにした。細胞間情報伝達分子Wntはファミリーを形成しており、機能的にWnt-1サブファミリーとWnt-5aサブファミリーの2つに分類される。Wnt-1サブファミリーはWnt/β-catenin経路を活性化し、β-catenin-TCF/LEF転写複合体による転写活性化を誘導する。これに対し、Wnt-5aサブファミリーはWnt/Ca^<2+>経路を活性化し、細胞質中のCa^<2+>濃度を上昇させてCaMKIIの活性化を引き起こす。私は、Wnt-5aがCaMKIIの活性化を介してTAK1-NLKカスケードを活性化することを明らかにした。 さらに私は、NLKによるβ-catenin-TCFの阻害の分子機構を詳細に解析した。その結果、NLKがTCF/LEFの保存された2つのserine/threonine残基を直接リン酸化することによって、β-catenin-TCF複合体のDNA結合活性を低下させることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)