テルペンの利用を目指したアリル―パラジウム錯体を経由する新しい高分子合成
Project/Area Number |
00J04232
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鶴来 交 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 触媒 / パラジウム / アリル / 重縮合 / テルペン / 炭素-炭素結合 / 化学量論 / 生分解性 |
Research Abstract |
Z)-1,4-ジアセトキシ-2-ブテン(1)とジエチルマロナート(2)との重合反応機構を詳細に検討した。その結果、この重合反応は一般的な重縮合とは異なり、重合反応経路が制御されて進行していることを見出した。つまり、化合物1は2分子の化合物2と連続して反応することにより重合が進行している。この重合経路が高度に制御できれば、二成分重縮合で本質的な欠点とされていた「分子量の化学量論比依存性」が克服できることになる。つまり、二成分重縮合において、化学量論比を厳密に1対1に合わせなくても、重合が進行する反応系を確立できることになる。そこで、意図的に二成分の量論比を1対1.5で重合反応を行ったところ、重合反応は進行し、高分子量ポリマーを得た。反応経路を制御できない場合、反応によりオリゴマーしかえられない。本結果は、炭素-炭素結合を形成する二成分重縮合で、化学量論比の制約を受けない初めての重合系である。この重合反応は2つの反応点が完全に分離したアリル型モノマーにも適用でき、様々なモノマーの組み合わせにおいて、化学量論比の異なる条件下高分子量ポリマーの合成が可能であった(論文準備中)。さらに高度な反応経路の制御を目指し、低分子反応系において、触媒配位子を詳細に検討した。これにより、2つのリン原子を4つのメチレンさで連結した二座配位子で、パラジウムと7員環状錯体を形成する配位子が反応経路の制御に極めて有効であることが分かった(研究発表論文No.1)。これらの最適重合条件下、天然資源である、ゲラニオールやシトロネロールといったテルペンアルコールを用い、新規ポリマーを合成した(論文投稿中)。また、主鎖にエステル結合を導入した分子設計を行うことで生分解性ポリマーとなる可能性が高いことから、これらのポリマーを合成し、現在はその生分解性を調べている。 Carbon -Carbon Bond-Forming Polycondensation between Terpene Derivatives and Malonic Esters via Palladium-Catalyzed Allylic Substitution Reaction Nobuyoshi Nomura, Nao Yoshida, Ko Tsurugi, and Keigo Aoi Macromolecules, submitted for publication.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)