Project/Area Number |
00J04247
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉野 正人 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ペロブスカイト型酸化物 / プロトン伝導 / 分子軌道法 / 擬ポテンシャル法 / 材料設計 |
Research Abstract |
有効なアクセプタイオンの選択は、プロトン伝導体の設計において重要である。特に、プロトン伝導に及ぼすアクセプタイオンの役割について詳しく調べる必要がある。そこで、DV-Xα分子軌道法を用いて、斜方晶のSrZrO_3の電子状態を計算し、アクセプタイオン,M,の周りの局所的な化学結合状態を詳しく調べた。また、平面波基底擬ポテンシャル法を用いて、局所構造を詳しく調べた。そして、局所イオン配列やプロトンの位置などの幾何学的な情報と、プロトンとアクセプタイオンの周りの局所化学結合状態の情報を融合して、プロトン伝導機構について検討した。 その結果、アクセプタイオン,M,とその周り酸素イオンの電子状態(例:イオン性)が、Zrとその周りの酸素イオンのそれと大きく違うほど、プロトン伝導度が低下する傾向があること、さらに、M-Oイオン間の結合の強さの大小によって、プロトンの移動のパスとなるMO_6八面体の大きさが変わるため伝導度に影響を与えることが分かった。これらの知見をもとに、SrZrO_3のプロトン伝導度の実験結果を説明することができる。また、YイオンやAlイオンをドープしたときの全エネルギー計算から見積もった活性化エネルギーは、実験値とほぼ一致した。これらのことは、SrZrO_3だけでなく、BaZrO_3やCaZrO_3においても言える。 したがって、これら局所的な化学結合状態とプロトン伝導性との関係は、イオン半径や電気陰性度などの従来使われていたパラメータに替わって、アクセプタイオンの選択のための有用な指針として利用できることが分かった。
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