アセチレンコバルト錯体を活用した海産猛毒シガトキシンの合成研究
Project/Area Number |
00J04310
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
高井 繁幸 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シガトキシン / アセチレンコバルト錯体 / セグメントカップリング / EFGH環 / E環エンイン / H環アルデヒド / エピメエリ化 / C-グリコシル化 |
Research Abstract |
熱帯、亜熱帯の珊瑚礁海域で頻発しているシガテラ中毒の主要原因毒素、シガトキシンの化学合成研究を行っている。シガトキシンは5〜9員環エーテルが13個(A〜M環)つながった環状ポリエーテル化合物であり、その構造の大きさと複雑さ故に未だに全合成の報告はされていない。(ただし、つい最近、この類縁体が東北大の平間グループにより報告された。)巨大分子の全合成を達成するには、収束的な合成法が必要不可欠である。当研究室ではシガトシシンを左右の2大セグメント(segment L, segment R)に分けて合成し、全合成の最終段階においてカップリングする計画である。 私はシガトキシンの全合成において最も重要である分子中央付近の合成研究を行っている。しかも、単なる部分合成ではなく、全合成の最終段階を想定した合成研究を行うことが目的である。昨年度、モデル実験として分子中央付近のEFGH環の合成研究を開始した。Segment Lに相当するE環エンインをグルコース誘導体から10段階、Segment Rに相当するH環アルデヒドもグルコース誘導体から16段階で合成し、カップリング反応を行った。F環は9員環であるため一般的に閉環が非常に困難であるとされているが、当研究室で開発されたアセチレンコバルト錯体を用いた方法論により高収率、高立体選択的に閉環することに成功した。次にG環の閉環を試みた。G環は7員環であり、これもまた一般的には閉環が困難とされている。F環のアセチレンコバルト錯体部分をケトンへと導き、G環の環化前駆体とした。この場合は望む環化反応が進行し、正しい立体化学を有するEFGH環の合成を達成することができた。天然のシガトキシンは分子の中央付近でコンフォメーションを変化させながらナトリウムチャンネルに作用し、その毒性を発現することが知られている。この4環性化合物(6-9-7-6)についてもNMR解析により同様なコンフォメーション変化を観測することができた。つまり、人工的にコンフォメーション変化を再現できたことになる。 来年度はEFGH環モデルの合成研究で得られた知見を基に、共同研究者が合成する予定である2大セグメント(Segment L, Segment R)のカップリング反応を行い、全合成を目指していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Kira, K., Tanda, H., Hamajima, A., Baba, T., Takai, S., Isobe, M.: "Mechanistic studies on the hydrosilylation of an acetylene cobalt complex ; trapping an active catalyst Co2(CO)6 causing olefin-isomerization and O-silylation"Tetrahedron. Vol.58. 6485-6492 (2002)
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