Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、平成12〜14年度の3年間で「御後絵」(琉球王朝第二尚氏歴代国王肖像画)に関しての多角的な分析を試みている。平成14年度は昨年度に引き続き資料収集が中心となった。琉球絵画「御後絵」に関連する新たな資料発見は、沖縄県内、本土でも困難を極めているために、中国を中心としたアジア諸国を調査する必要があった。その中でベトナム中部の古都・フエに遺る王宮や帝陵等の建築郡は、琉球の首里城正殿や玉陵に類似するものがあり、現地調査を計画した。その結果、ベトナム最後の王朝院朝の王宮内の午門、太和殿、顕臨閣等の建造物、皇帝や皇后が使用した服飾や装身具は琉球を思わせるほど酷似していることが判明した。その中で、中国の紫禁城を模して建立した太和殿には皇帝が座る漆と金箔で施された椅子と台座があり、琉球国王の椅子・台座に酷似していた。また、各建立物に敷かれた装飾されたタイルは「御後絵」の図像解明に繋がる資料となった。歴代皇帝の墓陵はそれぞれの皇帝の人物像が建築物や周りの池などのつくりであらわされているが、フランス植民地時代のカイゲイン帝廟にはフランス製の皇帝彫像があり、立体物としての肖像やその装飾は「御後絵」研究の新たな切り口となった。その他ベトナム北部のハノイでは、ベトナムの少数民族が70年前に使用していた神々を描いた掛け軸の絵画やシャーマンが使用した衣装、装身具を収集することができた。特に掛け軸の絵画は「御後絵」にも見られる東洋美術共通の構図が見られ、貴重な資料となった。国内(沖縄、東京)では主に琉球の絵師が描いた作品を手がかりとして、その題材と同一の対象物を探索し、その変遷および伝播を調査した。3年間の研究では、主に東南アジア諸国から「御後絵」の分析を行い、いくつかの手掛りを発見することができた。今後の研究では、その手掛りを更に追求して「御後絵」及び琉球絵画の解明を行ってゆく。
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