珪質微化石殻の形状変化にもとづく生物源オパール溶解指標の設定とその古海洋学的応用
Project/Area Number |
00J04345
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo (2001-2002) National Museum of Nature and Science,Tokyo (2000) |
Research Fellow |
嶋田 智恵子 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 珪藻化石 / 溶解 / 古海洋環境 / 形態変異 / 生物地理区 |
Research Abstract |
表層堆積物を用いた溶解実験に加え、北西太平洋(三陸沖)において回収されたセディメントトラップ試料(つまり現世水柱試料)を用いて溶解実験を行った。そして得られた指標種Neodenticula seminae溶解プロファイルにもとづき,かつて本研究で得られたものより精度の高い指標を構築し、国際学術誌Micropaleontologyに投稿し、現在査読中である。 また、指標を効果的に適用するためには、溶解に影響を与えると予想される殻形態の時空分布を把握し、予め適用範囲を決定する必要がある。こうした意義にもとづいて、溶解実験でも用いたセディメントトラップ試料や、表層海水のフィルタ試料中の指標種個体を観察し、この種の形態に時間空間的な差違があるのかを電子顕微鏡で殻の電子画像撮影を行ったうえで検討した。このとき使用した試料は北西太平洋縁辺域とベーリング海でそれぞれ採取されたものであり、形態のバイオメトリーには、PDソフトウェアのNIH Imageを用いた。その結果、両者の殻形態は有意に異なっていることが明らかになった。すなわち、北西太平洋の個体群はベーリング海のそれに比べて、殻形態の多様性がより高いが一般に華奢な個体が圧倒的に多く、ベーリング海の個体は肉厚で形態的に非常に一様である。そして、この形態の地理変異の新知見についての論文は、国際学術誌Diatom Researchに投稿・受理された。 さらに、この種の殻形態について、電子顕微鏡画像を基調にした三次元画像解析(analySISを使用)を行って形態をさらに詳しく記載した。予察的に検討した結果、ベーリング海産の個体は比面積がより小さく、溶解に対する抵抗性が高いと推定されることがわかった。 なお、平成13年10月3日より、在外研究を行うべく米国New Jersey州のRutgers Universityにおいて、Columbia UniversityのL. H. Burckleに師事していたが、先述の研究を共同して行ったあと、平成14年9月26日に帰国した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)