Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
現在までの研究により,シリコーンゴム高分子碍子の特性を実験室で的確に迅速に評価できる試験方法及び条件が確立された.3種のシリコーンゴム高分子碍子を中部大学(愛知県春日井市)での屋外暴露試験と最適条件での実験室塩霧試験に供した.漏れ電流レベルとその性状,シリコーンゴムの分子量分布等を判定材料として,実験室と屋外での劣化様相の相関と実験室試験の加速性を検討した.漏れ電流は放電を伴わない正弦波状の導電成分,電解液の蒸発を伴い直接表面劣化に結びつく乾燥帯放電成分,乾燥帯放電程のエネルギーを持たないが局所的な電界の高まりに起因するコロナ放電成分に分別した.分別がなされない漏れ電流全体の累積値は屋外暴露試験8ヶ月で平均1クーロン,実験室加速試験1ヶ月で平均20クーロンと計測され,加速度は大まかに160と算出した.また導電成分,乾燥帯成分,コロナ放電成分の発生頻度および大きさにおける比率は,屋外暴露試験と塩霧試験において若干異なった.また,試験後のシリコーンゴムの分子量分布にも差異が見られた.このことから,シリコーンゴムの劣化過程は実験室と屋外では様相が異なることが確認された.屋外では導電性を付与する塩分等の汚損物は少なく,また,漏れ電流により誘導される放電による劣化より,紫外線の影響が大きいと結論づけた. 一方でシリコーンゴム碍子に藻類が付着し,その部位の撥水性が低下し,碍子の汚損特性が低下することが報告されている.実験室内でシリコーンゴムを人工的に藻類汚損させる方法・手順を開発し,シリコーンゴム組成の藻類付着への影響とそれに起因する撥水性低下の程度を明確にした.藻類はシリコーンゴムそのものには構造的,化学的変化を引き起こすことはなかった.しかし,藻類そのものの強い吸水性が撥水性を低下させることが分かった.また,無機充填材は藻類の付着を促進させる作用を有することが明らかになった.
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