サルコイドーシスにおけるプロピオニバクテリアの病因的役割に関する研究
Project/Area Number |
00J04651
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Research Fellow |
石下 郁夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Propionibacterium acnes / 末梢肺組織 / 所属リンパ節 / 細菌培養 / RAPD解析 |
Research Abstract |
これまで、国内、国外を問わずサルコイドーシス病変部から多量のPropionibacterium acnesまたはP.granulosumのゲノムが検出されることを報告してきた。そこで今回は、サ症病変リンパ節から検出されるP.acnes DNAの局在を検索するためにサ症リンパ節のパラフィン切片に対してP.acnes 16S rRNA遺伝子をターゲットとしたオリゴプローブを用いたin situ hybridization法を実施した。その結果、これらはサ症肉芽腫内に集積して存在しており、その陽性シグナル数は定量PCR法によるゲノム数測定の結果と有意に正の相関を有することが確認された。これまでの定量PCR法によるP.acnesゲノム数測定の過程で一部の対照リンパ節群からも微量ではあるがP.acnesゲノムが検出されたこと、以前の細菌分離培養においても非サ症肺組織およびリンパ節組織から微量のP.acnesが分離されていることから、これらの組織中にP.acnesが常在している可能性が示唆された。そこで、末梢肺よりVideo-assisted thoracoscopic surgeryにより切除された末梢肺組織および外科的に切除された癌転移のない肺、胃および大腸所属リンパ節を材料として細菌分離培養を試みた。その結果、P.acnesは高率に末梢肺組織(25/45,56%)および肺所属リンパ節(8/11,87%)から分離培養され、さらにStaphylococcus sp.が分離された肺組織の1例、肺所属リンパ節の1例を除くと、大部分はP.acnesが単独で分離された。さらに、これらのP.acnes分離株に加え、他の正常組織(皮膚、結膜、糞便)分離株およびサ症リンパ節分離株に対してrandom amplified polymorphic DNA法を用いて遺伝子タイピングを実施し、系統樹解析したところ、系統樹解析では各分離臓器ごとに集団(クラスター)を形成しており、それぞれの株間の類似係数を比較すると同種の臓器から分離された株間(臓器内)では、異なる臓器から分離された株間(臓器間)に比べ、有意に(p<0.001)高い類似性を示した。また、サ症リンパ節分離株は正常リンパ節分離株に類似していることが判明した。以上の結果よりP.acnesはこれまで報告されている皮膚、結膜および腸管以外に末梢肺組織やリンパ節にも常在しており、それらは常在する臓器ごとに異なる遺伝子型を有していることが示唆された。また、正常リンパ節分離株とサ症リンパ節分離株が遺伝子的に類似していることから、サ症肉芽腫形成はある疾患特異的なP.acnes株によって引き起こされるのではなく、サ症が発症した臓器にもともと常在しているP.acnes株に対するサ症患者特異的な免疫難脳性によるものであることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)