Project/Area Number |
00J04771
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Research Fellow |
苗村 晶彦 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 酸性雨 / 森林生態系 / 林内雨 / 樹幹流 / 乾性沈着 / 溶脱・吸着 / 窒素飽和 / 有機態窒素 |
Research Abstract |
集水域の生物地球化学を研究する上で、inputとなる湿性および乾性沈着の見積もりは重要である。特に、森林生態系では林内雨沈着を評価することが重要課題である。また、窒素沈着によって引き起こされる森林の酸性化および窒素飽和現象についての研究が昨今注目される。森林生態系における窒素の収入で有機態窒素(DON)は無視出来ない役割を果たしている場合がある。本研究では、窒素飽和が報告されている多摩丘陵や鎌倉と山間部の奥秩父において、スギの樹冠で窒素の無機態および有機態の量的寄与を明らかにすることを目的とした。また、窒素飽和が報告されている丘陵地と対照地において、対象木としてスギCryptomeria japonicaを用い、nss-SO_4^<2->とNO_3^-との関係からNO_3^-の樹冠溶脱について検討した。 スギ樹冠通過雨では、多摩丘陵ではDINが27.6kg N ha yr-^1、DONが4.6となり、鎌倉ではDINが42.4kg N ha yr-^1、DONが4.3と無機態窒素が全窒素のほとんどであることがわかった。一方、奥秩父ではDINが7.5kg N ha yr-^1、DONが2.9であり、溶存有機態窒素の占める割合が高く28%であった。DINは都市近郊と山間部では大きな違いが見られ、都市近郊では乾性沈着の影響によってDINが増大していると推測された。一方、DONでは調査地毎で違いがなく、樹齢によってわずかに増大している傾向があった。奥秩父では硝酸の樹冠吸着、多摩では硝酸が樹冠溶脱している報告があるが、人為起源物質の影響が少ないと思われる奥秩父については、有機態窒素の収入の役割は大きく、特に樹幹流ではその割合は大きかった。一方、窒素飽和現象の見られる都市近郊では、逆に有機態窒素の収入は少なく、森林の窒素飽和現象に有機態窒素の寄与は小さいと考えられた。 また、無機態窒素のNO_3^-について、奥秩父では樹冠吸着、多摩では樹冠溶脱が認められた。人為起源物質の影響が少ないと思われる奥秩父では、降水中のNO_3^-のような窒素成分は葉から樹木へ養分として吸収される可能性がある。一方、多摩では近年25年間に降水中の無機態窒素が増大していることが報告されており、その影響によって、多摩では過剰の窒素が樹冠から溶脱していると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)