Project/Area Number |
00J05031
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 省 筑波大学, 文芸・言語学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Burzioの一般化 / 全体・部分の関係 / 束縛条件A / 反射性 / 推移性 / 主格排他性の法則 |
Research Abstract |
平成14年度科学研究費補助金の交付を受けて、3年間の学術振興会特別研究員としての、まとめとなるような研究を行った。より具体的には、英語における述語の基本的な分類といわれる、行為述語・状態述語の違いについて先行研究に無い観点から再検討を行った。先行研究では、この区別が受動文に出来る他動詞、出来ない他動詞に対応していると広く考えられているが、このことが、必ずしも正しいとは言えないことを明らかにした。そして、この事実を説明するために、いくつかの文法理論の比較を行った。まず、最も可能性の高い説明方法として、関係文法で主張されている「主格排他性の法則」に基づいた説明の妥当性を検討した。しかし、その結果、この法則に基づいた説明が、主に生成文法の枠組みに基づいて主張されている「Burzioの一般化」の予測に反することが明らかになった。そこで、認知文法の観点による考察からの成果なども考慮に入れて、「主格排他性の法則」によって捉えようとした述語の特性は、どのみち、どのような言語理論に基づいたとしても考慮されなければならない、述語固有の特性の一部として考えなければいけないこと、すなわち、「主格排他性の法則」に基づいて説明する必然性がないことを論じた。ここでいう、述語固有の特性とは、「ある種の述語は、主語と目的語の間に全体・部分の関係が存在することを表す」というものである。そして、この種4述語は、この関係に基づいて目的語の格を認可するということを主張した。さらに、この主張を発展させて、全体・部分の関係は、丁度、再帰代名詞の先行詞と再帰代名詞との関係と同じものであると考えることで、問題となっている述語が受動文にできないことを、再帰代名詞を含んでいる文が受動文にならないことと、同じ理由、すなわち、束縛条件A、で説明できると主張した。そのうえで、当該の全体・部分の関係は、論理的関係でいう「反射的」な関係であることを明らかにした。この研究は、論文にまとめ、Tsukuba English Studiesの第21巻で発表した また、この研究の成果の一部をさらに拡張して、動詞containがあらわす関係概念は、「反射性」に加えて「推移性」も含まれていることを示した論文を、日本英語学会の機関紙English Linguisticsに投稿した。この論文は、審査を終えて、次に発行される第20巻1号に掲載される予定である。
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