HTLV-1関連疾患のマウスモデルの作製とHTLV-1レセプターの単離
Project/Area Number |
00J05317
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
孫 賓蓮 筑波大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | HTLV-1 / セルフリーHTLV-1 / マウス / 感染 / neuraminidase / p53 / レセプター / 膜くタンパク質 |
Research Abstract |
効率のよいセルフリーHTLV-1感染系がないために、ウイルスの感染や増殖過程、感染細胞との相互作用などはまだ良く分かっていない。最近私たちはセルフリーのウイルスを活性を保って濃縮することに成功し、効率の良い感染系を樹立した。この感染系を用いて、従来感染効率が極めて悪いとされていたマウス細胞にも実際には効率良くHTLV-1ウイルスが侵入することを明らかにし論文を発表した(Jpn J Cancer Res 93:760-766,2002)。 また、最近ウイルスや標的細胞表面の糖鎖修飾がHTLV-1の感染へ与える影響について検討した。 Arthrobacter ureafaciers菌由来のneuraminidaseを用いて、セルフリーHTLV-1を処理すると、ウイルスの標的細胞への吸着や侵入は約10倍増加することが見られ、感染した細胞中のウイルスDNAも約3倍増加した。またneuraminidase処理はHTLV-1感染した細胞と感染していない細胞との細胞融合を促進することを見られた。Neuraminidaseを産生する微生物やウイルスなどの感染はHTLV-1の感染や増殖を促進することが示唆された。これらの結果をまとめて、投稿中である。 ATLのマウスモデルを確立するために、129/sv系統のp53のノックアウトマウスを購入し、繁殖させた。繁殖しにくいことが分かった。そのうち、8匹の新生児マウスにHTLV-1産生細胞MT-2を投与して、感染マウスのリンパ腫の発症を観察していったが、特に腫瘍は見られなかった。現在、マウス体内のウイルスの分布やウイルス量について調べている。 ウイルスレセプターの単離にはヒトT細胞の膜タンパク質を抽出し、精製したウイルス粒子を用いて、ウエスタンブロットを行ってきた。コントロールと比べることにより、特異的と考えられるバンドが幾つ検出された。これらのタンパク質を同定するために、イオン交換カラムで精製して、MS/MS解析により、レセプター候補として幾つかのタンパク質が同定できた。これらのタンパク質の抗体を入手し、ウイルスの感染を阻害するかどうかを調べたが、阻害性を見られなかった。候補タンパク質の抗体結合部位とウイルス結合部位が違う可能性を考え、発現ベクターを用いて発現させるなどして確かめる予定である。また、膜たんぱく質のモノクローン抗体を作り、ウイルス感染を阻害する抗体をスクリーニングによりレセプターを同定する方法も試みる予定である.
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)