大規模分子動力学計算によるシリコン熱酸化過程の研究
Project/Area Number |
00J05547
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邉 孝信 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分子動力学法 / 酸化膜 / シリコン界面 / 1原子層毎酸化 / モンテカルロ法 / ラグランジュ関数 / 原子間ポテンシャル関数 / 熱酸化 / X線回折 |
Research Abstract |
本年度は、これまで開発した手法を総動員し、Si結晶表面の酸化が1原子層毎に進行する現象、および酸化膜に残る周期構造の実体を解明した。また、本研究で最大の目標であった、O_2分子を扱える新Si, O系用ポテンシャル(ダイナミックボンドポテンシャル)も完成させた。Si酸化膜に関する2つの大きな謎の解明、全く新しい分子動力学手法の発案など、計画当初の目標を大きく上回る成果を挙げることができた。以下、主要な実績について概要を述べる。 (1)1原子層毎酸化の機構解明 当初遠距離クーロン相互作用に注目し、Particle Mesh Ewald法をプログラムに実装して計算したが、1原子層毎酸化は再現できなかった。歪エネルギー、中間酸化状態のSi原子の化学ポテンシャルでも説明できないことがわかり、研究は一時暗礁に乗り上げた。そこで、SiO_2/Si界面で2次元の島状酸化領域が出現するという従来の定説を今一度見直したところ、酸化種がランダムに拡散して界面のSiを酸化する、という描像で1原子層毎酸化が再現できることを発見した。 (2)熱酸化膜からのX線回折パターンの再現 酸化膜厚10nmという巨大酸化膜模型を作成し、熱酸化膜のX線回折パターンの再現に世界で初めて成功した。酸化膜は単なるアモルファスではなく、元のSi結晶に由来する秩序を残していることが本研究で明らかとなった。 (3)ダイナミックボンドポテンシャルの完成 結合相手を決定する要素自体の運動を記述する全く新しいラグランジュ関数を考案し、O_2分子の取り扱いを可能にした。極座標系とデカルト座標系が混在する複雑な式となったが、指導教授である北田教授から学んだ数学を活かして、運動方程式・内部ストレステンソルを正確に求め、この系の分子動力学計算を実現した。温度制御、圧力制御法を併用した場合でもハミルトニアンが保存することを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)