生体超分子システム内における分子機能・分子間協調の顕微解析
Project/Area Number |
00J05550
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
藤田 英明 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 心筋 / 制御系 / トロポニン / トロポミオシン / ミオシン / アクチン / キネティクス / ゲルゾリン |
Research Abstract |
横紋筋における収縮・弛緩はトロポミオシン・トロポニン複合体(制御系)により制御されている。平成12年度の研究では、ウシ心筋の細いフィラメントをゲルゾリンで除去し、その後アクチンフィラメント(制御系なし)を再構成した筋肉のKinetic ConstantをSinusoidal Analysisによって調べることによって、この制御系が筋収縮のKinetic Constantに影響を与え、また、ミオシン・ヘッド1つあたりの張力が1.4倍になることがわかった(Fujita et al.,2002,Biophysical Journal82:915-28)。しかし、この研究では制御系をトロポミオシン・トロポニン複合体として再構成したため、上記の変化がトロポミオシンによるものか、それともトロポニンによるものかが判別できなかった。今回、トロポミオシンとトロポニンを別々に再構成する事によってそれぞれのKinetic Constantに対する効果を調べた。 トロポミオシン再構成筋(トロポニン無し)ではMgATP結合定数は20.7±2.3mM^<-1>、Piの結合定数は0.13±0.05mM^<-1>であった。また、クロスブリッジ解離の平衡定数は2.32±0.48で力発生ステップの平衡定数は0.57±0.08であった。以上の値はMgATP結合定数がコントロール筋の約2倍であること以外はコントロール筋とほとんど変わりなく、トロポミオシンが主にクロスブリッジ・キネティクスを制御している事がわかった。また、トロポミオシン再構成後のミオシンヘッド1つあたりの発生張力は裸のアクチンのときの1.2倍であり、トロポミオシン、トロポニン共にミオシン・ヘッド1つあたりの張力を増大させる効果がある事がわかった。また、制御系がクロスブリッジ・キネティクスを制御している事を筋原線維レベルで確認するため、イタリア・フローレンス大学のキアラ研、ロンバルディ研と共同研究を行い、ウサギ心筋筋原線維を用いて再構成実験を行った。その結果、制御系がない場合は短縮速度が小さい事がわかった。 これらの結果、制御系によるクロスブリッジ・キネティクスを制御しているという事、変化は主にトロポミオシンによる事、トロポニンはMgATP結合定数を約1/2に下げる効果がある事、トロポミオシン・トロボニン共にミオシンヘッドあたりの力を増大させる事などがわかった。これらの結果から制御系は筋収縮のカルシウム制御だけでなく、力発生にも重要な働きを持つことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)