共役アミニウムラジカル高分子の精密合成と室温強磁性
Project/Area Number |
00J05722
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
道信 剛志 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 共役ポリラジカル / アミニウムラジカル / 非ケクレ分子 / 室温強磁性 / 磁性高分子 / 磁気力顕微鏡 |
Research Abstract |
発達したπ共役高分子の非ケクレ位置に室温でも安定なラジカル基を共役結合させた多スピン高分子を合成することを目的とした。化学的に安定かつスピン伝達能が大きいアリールアミニウム構造を新たなラジカル源として選択し、室温でも強いスピン整列を期待している。 第2年度から引き続いて、アミニウムサイトが非ケクレ型の1,3,5-ベンゼントリイルで連結された擬二次元拡張体を合成した。パラジウム/ホスフィン触媒による芳香族アミン合成法を、2級アミンまたは臭素を官能基とする多官能性モノマー間の重縮合に適用した。2級アミン構造を含まず高分子量体に達するよう、Flory式に従い仕込み官能基比を調節するとともに、立体障害を回避しうるモノマーの組み合わせを選択することにより、分子量>10^4で溶媒可溶な高分子量体を得ることができた。NMRおよびMALDI TOF-MSより高分子の架橋構造を明らかにした。 電気化学測定では多段の可逆な酸化還元波が明確に現れ、隣接ラジカル間の強い相互作用を示唆した。少量のトリフルオロ酢酸を電解液に添加して測定すると、ポリマー中のプロトン付加した位置に隣接するアミニウムサイトの酸化還元波が高電位シフトしたことから、各電位を明確に帰属できた。NO塩で化学酸化して得たポリラジカルの低温ESRではg=4領域に微細構造を伴う禁制遷移が現れ、四重項以上の成分が存在した。SQUID磁化測定における低温磁化曲線は平均スピン量子数8/2〜9/2の理論曲線に近接し、ポリマー一分子中に平均8〜9個のスピンが強磁性的に整列した基底多重項分子であることを証明した。 また、二次元拡張ポリラジカルはナノ寸法であることから原子間力顕微鏡(AFM)測定したところ、ポリラジカルにおける高いπ共平面性が明らかになった。続く磁気力顕微鏡測定においてもAFM像に正確に対応する位置に明確な磁気勾配が観測され、ポリラジカル分子内の非常に、強いラジカル間相互作用の可能性が示された。^1HNMR常磁性シフト法より、室温でも有効に働く強磁性的相互作用を証明した。 以上より、非ケクレ型で厳密に構造規制された二次元拡張ポリラジカルについて、その合成手法を確立し、本研究課題の主テーマである室温強磁性を実現できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)