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免疫細胞に対するダイオキシン毒性の分子生物学的解析

Research Project

Project/Area Number 00J06256
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Research Field 環境影響評価(含放射線生物学)
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

柴崎 晶彦  東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2000 – 2002
Project Status Completed (Fiscal Year 2002)
Budget Amount *help
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
KeywordsAhレセプター / pyridinyl imidazole / p38 MAPキナーゼ / Cyp1a1 / TCDD
Research Abstract

ダイオキシン類化合物は、一般にArylhydrocarbonレセプター(Ahレセプター)を介して細胞毒性を発揮すると考えられている。Ahレセプターの標的遺伝子としてチトクロームP-450(CYP)が知られているが、2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)などによるその誘導はグラム陰性細菌の菌体成分であるlipopolysaccharide(LPS)や、サイトカインのtumor necrosis factor(TNF)αなどにより抑制されることが知られており、Ahレセプターの経路とLPSなどで活性化されるMAPキナーゼ経路が、何らかのクロストークをしていることが推測される。我々は、LPSによって活性化されるp38 MAPキナーゼ経路とAhレセプター経路との関係を検討している過程で、その特異的阻害剤SB203580により、TCDDによるCYP1A1 mRNAの誘導が顕著に抑制されることを見いだした。そこでCYP1A1 mRNA誘導におけるp38 MAPキナーゼ経路の関与を予想し、p38 MAPキナーゼのドミナントネガティブをもちいたレポーター遺伝子アッセイをおこなった結果、CYP1A1 mRNAの誘導にはp38 MAPキナーゼ経路は関与していないことが示唆された。またAhレセプターのin vitro activationアッセイにより、活性化AhレセプターはSB203580存在下で、その認識配列xenobiotic responsive element(XRE)への結合が抑制されないこと、Ahレセプターのアンタゴニストα-naphtoflavone(αNF)のCYP1A1 mRNA抑制機構とは異なることなどから、Ahレセプターに対する直接の作用によらないことが示唆された。また核抽出タンパク資をもちいたElectromobility shift assay(EMSA)の実験から、AhレセプターのTCDDによる核移行には影響しないことが確認された。さらにSB203580の構造類似化合物、SB202474、SB202190によってもCYP1A1 mRNAの誘導が顕著に抑制されることから、pyridinylli midazole構造に依存した効果であることが予想された。
我々はSB化合物の作用点としてCyp1a1遺伝子のクロマチンの構造を制御する因子への作用を想定した。ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤、Trichostatin A(TSA)はTCDDによるCYP1A1 mRNAの誘導を顕著に増強すること、またChlPアッセイによりTCDDはCyp1a1遺伝子プロモーター領域のTATA-box近傍のクロマチンのアセチル化を亢進することから、CYP1A1 mRNAの転写機構として遺伝子のアセチル化が関与していることが確認された。以上のようなTSAによるCyp1a1 mRNAの誘導やTCDDによるTATA-box近傍のクロマチンのアセチル化もSB化合物により顕著に抑制されることからSB化合物は、何らかのクロマチン因子もしくはCo factorに抑制的に作用するものと示唆された。
さらにCOS-7細胞にAhレセプターを強発現するとリガンド非依存的にAhレセプターが核内に移行する現象が知られている。この核移行はSB203580により顕著に抑制されるが、p38 MAPキナーゼのnegative compoundは効果がないことから、リガンド結合を介さないAhレセプターの核へのシャトリング機構にはp38 MAPキナーゼ経路がドミナントに関与していることも見出した。
以上のような現象は、今まで報告されておらず、p38 MAPキナーゼに非常に特異性の高い阻害剤として、一般的に広くもちいられているSB化合物のあらたな作用点の存在を示すものであり、pyridinyl imidazole構造をもつ抗炎症剤の開発に、重要な情報を与える知見である。

Report

(1 results)
  • 2002 Annual Research Report
  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Kikuchi H. et al.: "Presence on human chromosome 10 of omeprazole-sensitivity gene whose product mediates CYP1A1 induction"Cyt. Genome Res.. 97. 51-57 (2002)

    • Related Report
      2002 Annual Research Report
  • [Publications] 大場麻美他: "免疫機構における血小板の役割(総説)"アレルギー科. 14. 340-348 (2002)

    • Related Report
      2002 Annual Research Report

URL: 

Published: 2000-04-01   Modified: 2024-03-26  

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