Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.錯体配位子[Cu(pz_2bg)_2]はビグアニド配位子のビスピラゾリル誘導体を配位子とする単核錯体であり,両端のN_3サイトにより金属イオンに配位し,架橋配位子となることが可能である.様々なCuM_2三核錯体(M=Cu(II),Ni(II),Co(II),Mn(II))を合成し,構造を決定した.すべての錯体において金属イオン間に強磁性的相互作用が発現することを明らかにするとともに,その磁気的相互作用の大きさ(J)を見積もった(J_<Cu-Cu>=+7.6(1)cm^<-1>,J_<Cu-Ni>=+7.5(1)cm^<-1>,J_<Cu-Co>=+2.1(1)cm^<-1>,J_<Cu-Mn>=+0.3(1)cm^<-1>).強磁性的相互作用の発現はκ^3N:κ^2N架橋様式によるdσ軌道同士のstrict orthogonalityにより説明され,[Cu(pz_2bg)_2]はdσスピンを有する金属イオンを強磁性的に連結する"フェロマグネティックカップラー"として働くことを明らかにした.また,磁気的相互作用の大きさを系統立てて比較し,金属イオンMから配位原子へのスピンの非局在化の度合いと金属イオンMの持つスピンの性質に依存することを明らかにした. 2.H_3pzbg^+(ビグアニド配位子のモノピラゾリル誘導体)を用いてクラスター錯体の構築を行った.H_3pzbg^+は3つのプロトンが脱離した状態でイミノ窒素というめずらしい架橋原子により金属イオンを架橋することが可能であり,実際に,このイミノ窒素架橋を有するMn_4N_2O_4を基本骨格とする不完全ダブルキュバン型Mn(III)四核錯体が得られた.イミノ窒素を通してMn(III)間には比較的強い強磁性的相互作用が発現することを明らかにした(J 〜+9cm^<-1>).また,ダブルキュバン型Mn(III)六核錯体を合成し,Mn(III)間に強い反強磁性的相互作用が働いていることを明らかにした.
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