嵩高い環状二座配位子を用いた新規環状共役および集積14族金属多重結合化合物の創製
Project/Area Number |
00J06295
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
石田 真太郎 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ケイ素 / 結晶構造解析 / 還元反応 / 二重結合 / 動的挙動 / 理論計算 / 共役 |
Research Abstract |
申請者が合成した初めての単離可能なジアルキルシリレン、1,1,4,4-テトラキス(トリメチルシリル)-1-シラシクロペンタン-1,1-ジイル(1)の反応を検討し以下の知見を得た。 これまでにspケイ素を持つ化合物は知られておらずその性質は未知であった。申請者らは形式的にspケイ素を持つトリシラアレン(2)の合成を行った。シリレン1と四塩化ケイ素の反応で合成した1-クロロ-1-トリクロロシリル-2,2,5,5-テトラキス(トリメチルシリル)-1-シラシクロペンタン(3)をテトラヒドロフラン中低温で4当量のカリウムグラファイトで還元することで初めての安定なトリシラアレン誘導体(2)を収率59%で単離する事に成功した。 トリシラアレン2のエックス線結晶構造解析の結果、2のトリシラアレン骨格の中心ケイ素は4カ所のディスオーダーで観測された。それら4つの位置の占有率はそれぞれの環境が若干異なるために等価でない。しかし温度と結晶を変えて構造解析を行った結果、このディスオーダーは結晶に依存せず、温度に依存して占有率が変わることがわかった。すなわち中心ケイ素のディスオーダーは動的なものであり、結晶中でも中心ケイ素の位置は末端ケイ素を軸にして回転している。この結果はSi=Si=Si集積二重結合がきわめて柔軟であることを示している。 トリシラアレン2のSi=Si=Si骨格は136゜と著しく曲がった構造であった。この構造の結合様式を明らかにするためにモデル化合物の理論計算を行った。その結果2の結合状態はエネルギー準位の異なる、三つのケイ素上に非局在化した2つのパイ軌道で2つのケイ素-ケイ素集積二重結合を形成していることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)