アルドラーゼによるカルビン回路制御の分子機構の解明
Project/Area Number |
00J06579
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
中原 剣 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Synechocystis sp. PCC6803 / アルドラーゼ(FBA) / 葉緑体形質転換 / カルビンサイクル / 光合成 |
Research Abstract |
カルビンサイクル構成酵素の一つであるアルドラーゼ(FBA)は、カルビンサイクル内で光合成同化産物の分配基点となる二つの反応を触媒する酵素である。FBAは可逆酵素であり、活性調節も受けないことからカルビンサイクルに与える影響力が低い酵素と考えられてきた。しかし、1998年、葉緑体FBAの発現量を落とした植物体の解析から、葉緑体FBA活性が光合成速度に対して、光活性調節を受けるGAPDH, SBPase, FBPaseという代謝に対して影響力の強い不可逆酵素と同程度以上の影響を与えている事がわかった。しかし、なぜ葉緑体FBAがこれほど強い影響力を持つ酵素であるかについては明らかとなっていない。 これまでの研究結果からカルビンサイクルで働くFBAの2種類の反応基質となるセドヘプツロース1,7ビスリン酸(SBP)/フルクトース1,6ビスリン酸(FBP)対する活性比に着目し、植物葉緑体FBAのSBP/FBP値を変化させた形質転換体の作成と解析を行った。野生型の約2.2倍の活性を持ち、SBP/FBP値が0.7倍低下させた形質転換体を解析した結果、光合成同化産物の分配量の変化、トリオースリン酸含量の上昇が起こり、これらの代謝物質含量の変化によって引き起こされたと予想される光合成速度の低下、生育阻害が観察された。またリブロース1,5ビスリン酸再生量の低下、ルビスコ活性化の抑制が見られた。これらの現象はSBP/FBPの変化によって濃度が上昇したトリオースリン酸が細胞質へ過剰量排出され、細胞質でのスクロース合成を阻害し、葉緑体内に流入する無機リン酸量が低下した結果引き起こされたと予測した。 以上の結果より、カルビンサイクルで働くFBAは、SBP/FBP比によるトリオースリン酸量の調節を介して、光合成炭素代謝の制御を行っていることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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