Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度まで、α+^6He、^6He+^6He系に関して、それぞれの^6Heが励起する自由度を含めたチャンネル結合の計算を行ってきたが、両原子核間の中性子移行の効果と、反対称化の問題をより正確に取り扱う必要性があるため、今年度より、その両方の効果を取り入れた新しい模型『一般化2中心クラスター模型』の開発を行ってきた。この模型は、Beアイソトープ系などのα+α+n+n...(nは過剰中性子)からなる系を取り扱えるもので以下の様なものである。まず調和振動子ポテンシャル内の(Os)^4で記述した2つのα粒子を、適当な空間距離Sを持って配置し、次にどちらかのα粒子を指定しその周りに過剰中性子を配置する。この時、過剰中性子の量子状態は、指定したα粒子と共通の中心を持つ調和振動子のOp状態の方向(x、y、zのいずれか)と核子スピンにより指定する。この様に構成された波動関数に対し、反対称化とパリティ、角運動量射影を正確に行ったものを多体系の基底関数とし、それらの混合係数は、各距離S毎にハミルトニアンを対角化することにより決定する。我々は、α+α+n+n(=^<10>Be)系に対しこの手法を適用し、各S毎のエネルギー固有値を計算し、その内部構造の変化を調べた。その結果、α-αの距離が近い場合には、過剰中性子は2つのα粒子の周りに広がって、『分子軌道状態』を形成し、またそれらが離れた領域では、過剰中性子が片方あるいは両方に局在化した^5He+^5He、α+^6Heという『原子軌道状態』を作ることを明らかにした。ここでいう、原子軌道状態とは、^6He及び^5Heが明白な内部スピンをもち、相対角運動量で結合したいわゆる『チャンネル波動関数』を正確に表現している。また、距離Sを生成座標として取り扱うことにより、系全体のエネルギー固有値の計算も行い、実験データとの比較をおこなった。その結果、J^π=1^-の励起状態には、非常に発達したα+^6Heのクラスター構造が発現することが明らかになり、これまでの理論分析では得られなかった分子軌道状態の形成とクラスター構造の発現を同時に取り扱うことが可能となった。それらの成果の一部は、既に2編の学術雑誌に発表しているが、今後引き続き、Beアイソトープに関した分析を進める予定である。また同時に^<12>C+^<12>C反応に観測された多クラスター共鳴に関しても分析を進め、その成果を2編の学術雑誌に発表した。
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