メダカおよびブタ卵母細胞における第一減数分裂特有の染色体チェックポイント機構
Project/Area Number |
00J06618
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
李 智博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分離 / 相同染色体 / 姉妹染色分体 / 精母細胞 / マウス |
Research Abstract |
真核生物における姉妹染色分体の結合には、コヒーシンと呼ばれる蛋白質複合体が必須である。コヒーシンは、酵母では少なくともScc1(Rad21)、Scc、Smc1、Smc3の4種のサブユニットからなる。また、酵母の減数分裂においては、Scc1サブユニットがRec8に置き換わることが知られている。本研究では、脊椎動物の減数分裂におけるコヒーシンの発現を調べた。マウスRec8に対する抗体を作製し、その発現パターンを調べた。Rec8は、精巣および卵巣の生殖細胞にだけ発現しており、それ以外の組織や細胞では発現は見られなかった。生体内では、Rec8はリン酸化型のものと脱リン酸化型のものが存在し、他のコヒーシンサブユニットである減数分裂型のSMC1β、SMC3とは複合体を形成するが、体細胞型のSMC1αとは複合体を形成しないことが明らかとなった。減数分裂過程での、Rec8の詳細な細胞内局在を精母細胞で調べたところ、Rec8は、第一減数分裂前期では、SCP3と呼ばれるシナプトネマ構造蛋白質と同様の局在を示した。また、Rec8は、第一減数分裂中期では、染色体の軸に沿って、その腕部分とセントロメア部分に局在した。相同染色体の分離が起こる第一減数分裂の後期には、Rec8は染色体の腕部分から解離したが、姉妹染色分体が結合している部分(セントロメア部分)には存続した。このセントロメア部分に残ったRec8は、最終的に姉妹染色分体の分離が起こる第二減数分裂後期に、消失した。このRec8の染色体上の局在と段階的な解離は、Rec8が第一減数分裂における相同染色体の結合と第二減数分裂における姉妹染色分体の結合に関与し、Rec8の染色体の腕部分からの解離とセントロメア部分からの解離がそれぞれ相同染色体の分離と姉妹染色分体の分離を引き起こすことを強く示唆するものである。現在、この結果をまとめた論文を投稿中である。また、マウスの卵母細胞における同様の研究と、メダカにおけるコヒーシンの研究の論文を投稿する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)