Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
平成14年度は、発達脳および脊髄における放射状グリアの移動時期について組織学的解析を行った。放射状グリア/アストロサイト細胞系譜に特異的に発現する分子の一つである、脳型脂質結合蛋白(brain lipid-binding protein ; BLBP)を細胞マーカーとしてin situ hybridization法および免疫組織化学法を行い、発現細胞が外套層に出現しはじめる時期を検討した。BLBP発現細胞が「外套層に出現しはじめる時期」は、脳の尾側の多くの領域ではE13、小脳ではE14-E15、嗅球ではE15、中脳蓋ではE15-E18、大脳皮質・海馬ではE15-E17であった。また、発現細胞の外套層出現が放射状グリアの移動を反映するのかどうかを検討する目的で、延髄・小脳・大脳皮質においてBLBP発現細胞が脳室層に限局する時期にbromodeoxyuridine(BrdU)を投与し、投与直後および2日後に脳室層・外套層におけるBLBP/BrdU二重標識細胞の数を計測した。いずれの領域においても投与2日後には外套層における二重標識細胞数は増加しており、BLBP発現細胞の外套層出現は放射状グリアの移動を反映すると考えられた。さらに、発達小脳において、BLBP発現細胞とプルキンエ細胞の空間的関係を観察した。以上の結果から、放射状グリアは特定の時期に外套層に移動することが明らかとなった。さらに、この移動はニューロンの産生・移動と時間的にも空間的にも関連することが示唆された(以上の結果は、平成14年度日本神経科学会および第32回北米神経科学会において発表し、現在論文執筆中である)。
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