Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
2分決定グラフ(BDD)は,情報メッセンジャーの伝導経路を分岐スイッチで制御し,最終到達地点を評価することにより論理判定を行うものである。単電子トランジスタ(SET)を4個集積したBDD回路を作製し,各SETにおけるFETのON/OFF特性を利用してBDD論理回路の基本動作を確かめた。さらにSETのクーロンブロッケードを利用した単電子BDD論理回路動作を確認した。 MOVPE選択成長にて作製したデバイスは,4つのオーミック端子および6つのゲート端子を有し,ゲート電圧の条件によってAND,NAND,OR,NORの4論理を表現可能である。1.8Kにおいて,4つのSETすべてでクーロン振動およびクーロンギャップが観測でき,これによる分岐スイッチ動作も確認できた。そこで各分岐スイッチが,入力ゲートの信号に対してAND/NAND回路として動作するよう,各コントロールゲート電圧を設定し,2つの入力に振幅35mVの矩形信号を印加した。(X1,X2)=(1,1)に対応する入力電圧のときにAND-terminalを流れる電流が大きくなり,NAND-terminalではその逆の結果となっている。このことはクーロンブロッケードを積極的に利用した単電子AND/NAND論理が実現できていることを示している。さらにモンテカルロ法によるコンピュータシミュレーションを行なった結果,実験結果との良い一致が得られた。単電子モードで動作させた場合,スイッチをする際チャネルを完全に空乏させる必要がないため,FETモードの入力振幅1Vに比較して極めて小さい入力で動作し,消費電力と動作速度で決まる量子極限近傍で動作する超低消費電力回路を実現できる可能性がある。
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