ゲーム理論に基づく社会システムシミュレーションの実現と分析
Project/Area Number |
00J07150
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
System engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
山下 倫央 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 社会的ジレンマ / パートナー選択 / グループ形成 |
Research Abstract |
ゲーム理論における主要な研究課題の一つである社会的ジレンマを取り上げ、その解消を試みている.従来研究において欠けていたジレンマ状況における対戦相手の選択をグループ形成として捉え、N人ゲームとして定義している.ジレンマ状況では各個人の意思決定と社会全体の挙動が影響し合うため、数理的な解析が困難である。そのため、グループ形成の解析に個人と全体の相互作用をボトムアップに記述するマルチエージェントシミュレーションを採用している.どのようなグループ形成機構が個人と全体の利得の増加に対して有効であるかについて考察している. 本研究では、高い利得を獲得した個人のみが次世代に生き残れる進化的な環境において、相互選択を導入し、各個人は自分が選択したグループが認めればそのグループに参加できるというグループ形成の枠組みを構築した.この状況において各個人は「裏切り者とのグループ形成を拒否せよ」と「裏切り者とゲームをする者とのグループ形成を拒否せよ」の2つの相互選択機構に基づいてグループ形成をおこなう.相互選択機構の導入により、プレイヤーはジレンマゲームにおいて、わずかでも裏切ったプレイヤーとのグループ形成を拒否され、フリーライダーの出現が防止され社会全体の利得が増加することをシミュレーションにより確認した.この結果は、関係を持つ相手を選択できる状況において、相互選択機構が高い効用をもたらすという情報を広めさえすれば、相互選択機構が適切に機能し、社会全体の協力関係を確立させ、個人と社会全体の効用を共に上昇させることができることを示している.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)