Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.ファラオニスフォボロドプシン(ppR)のフォトサイクル中の構造変化解析 極低温フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を用い,ppRの機能発現過程であるフォトサイクル中の蛋白質構造変化の解析を行った.その結果,光センサーであるppRも,同じ古細菌型レチナール蛋白質であるが機能が異なる光駆動プロトンポンプのバクテリオロドプシン(bR)と,部分的に類似した構造変化を示すことを明らかにした.したがって,古細菌型レチナール蛋白質には様々な機能を持つものが存在するが,それぞれの機能を発現するために示す構造変化は共通している可能性が示唆された.(Iwamoto et al., Biochemistry印刷中) 2.ppRのフォトサイクル中の分子内プロトン移動に関する解析 古細菌型レチナール蛋白質は,その機能に関わらず,フォトサイクル中に分子内プロトン移動を示すことが明らかにされている.そこで,ppRの分子内プロトン移動機構を光駆動プロトンポンプのbRのそれと比較し,光センサーにおけるフォトサイクルの特徴を見いだそうと試みた.興味深いことに,特定の条件下においてではあるがppRはbRと同様の機構,つまり,同じアミノ酸残基を介して同じ順序でフォトサイクル中に分子内プロトン移動を起こすことが示唆された.この結果により,レチナール蛋白質が機能発現過程で示す蛋白質構造の変化は共通しているという,FTIRの実験から示唆された可能性が裏付けられた.(Iwamoto et al.,第10回レチナール蛋白質国際会議で成果発表、投稿準備中) 3.光中間体の性質に関する解析 ppRのフォトサイクル中に出現するOと呼ばれる光中間体は,特定波長の光を吸収すると励起され,フォトサイクルの新たな反応経路が誘導されることが示唆された.この結果は,より生理的な条件でppRが示すフォトサイクルを検討する上で重要であり,今後の研究に役立つ情報である考えられる.(Iwamoto et al., Photochem. Photobiol. 76,2002,462-466)
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