Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ウシ耳下腺腺房細胞にはTEA非感受性Ca^<2+>依存性K^+チャネル(K_<Ca>)が機能発現し、その電気生理学的性質はSK4/IK1分子により構成されるK^+チャネルに類似する。このK^+チャネルの分子クローニングをウシ耳下腺及びラット顎下腺腺房細胞mRNAから作製したcDNAライブラリーを用いて行った。ウシ耳下腺cDNAから3´RACE法及び5´RACE法により増幅された分子は、SK4/IK1に高い相同性を示した。またラット顎下腺cDNAからPCR法によりSK4/IK1分子が同定された。ラット顎下腺腺房細胞にパッチクランプ法を適用し、基底外側細胞膜に存在するTEA非感受性K_<Ca>活性に起因するマクロパッチ電流の電気生理学的性質及びその制御因子を調べた。インサイドアウトパッチクランプにおける膜電位固定下で観察されたTEA非感受性K^+電流は細胞内Ca^<2+>により活性化(K_d=0.7μM)された。アウトサイドアウトパッチクランプにおけるTEA非感受性K_<Ca>の一価陽イオン透過性の順位はK^+=Rb^+>>Na^+だった。K_<Ca>はBa^<2+>(δ=0.61、K_<d(o)>=311mM)、charybdotoxin(100nM)またはclotrimazole(1μM)により抑制され、1-ethyl-2-benzimidazolinone(100μM)により増加し、これらの薬理学的性質はSK4/IK1及びウシ耳下腺K_<Ca>に一致した。K_<Ca>は細胞内にATPまたはMg^<2+>が存在しない条件ではランダウンし、キナーゼ阻害薬のstaurosporine(1μM)により抑制された。以上の結果から、唾液腺腺房細胞には細胞内ATPにより制御されるK_<Ca>が存在し、そこれがSK4/IK1分子により構成されている可能性が示唆された。
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