相同組み換えによる遺伝子破壊を利用したホウライシダフィトクロムの機能解析
Project/Area Number |
00J07446
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Research Fellow |
河合 博子 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フィトクロム / 光受容体 / フォトトロピン / シダ / 突然変異体 / 光屈性 / 葉緑体定位運動 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究課題は、ホウライシダに存在する少なくとも3つのフィトクロムのうち、特異な構造を持つフィトクロム3(phy3)の機能解析を目的として行われた。Phy3は、N末端側に赤色光・遠赤色光受容体であるフィトクロムの発色団結合領域をもち、C末端側に高等植物における青色光依存の光屈性・葉緑体光定位運動・気孔開口の青色光受容体であるフォトトロピンの構造を持つキメラ光受容体である。本研究課題の当初の戦略であったホウライシダにおける相同組み換えによる遺伝子破壊系は未だ開発できていないが、突然変異体解析と一過的発現による表現型回復実験系を用いることによって、phy3が赤色光による光屈性と葉緑体光定位運動に機能していることを昨年度までに示した。さらに本年度は、ホウライシダ胞子体がphy3を持つことによって弱い光に対する感受性を増すことを示し、昨年度までの成果と併せて、英国の科学雑誌ネイチャーに掲載された。この成果は、新聞各紙にも取り上げられるなど、社会的にも大きな関心を集めた。 さらに現在、phy3による光受容とその後の信号伝達機構に関する情報を得ること目的として、点突然変異を導入したphy3とGFPの融合蛋白質をphy3欠損突然変異株の前葉体細胞で一過的に発現させ、赤色光依存の葉緑体定位運動が回復するか否かを解析している。現時点において、phy3のC末端側に存在するSer/Thrプロテインキナーゼ領域中のキナーゼ活性に必須であるアミノ酸の置換は、突然変異体の表現型を相補できないことが明らかになったため、phy3の光受容を起点とした信号伝達系にはphy3によるリン酸化反応が関与していることが推察される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)