Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究の目的は、DNA-タンパク質複合体の高次構造レベルでの複製・転写の制御機構を明らかにすることである。私は、ミトコンドリアDNAとタンパク質の高次構造体であるミトコンドリア核をモデルとして用い、解析をおこなってきた。これまでに、ミトコンドリア核の高次構造の形成に重要であるヒストンH1とHMGタンパク質の両者の性質を併せ持った新規タンパク質を真正粘菌から発見し、Glomと名づけた。このタンパク質は、ミトコンドリアDNA全長に渡って結合し、ミトコンドリアゲノム全遺伝子の機能制御に関わっていると考えられる。現在、ミトコンドリア核に含まれる他の構造タンパク質についても同様に解析を進め、包括的な理解を目指している。新規ミトコンドリア核タンパク質の同定以前まで使用していた単離ミトコンドリア核様体には、ミトコンドリア内膜の一部が混入していることがわかっていた。そこで、ミトコンドリア核様体を構成するタンパク質を効率よく同定するために単離法を再検討した。その結果、単離ミトコンドリア核様体を再び界而活性剤NP-40で処理することにより内膜の除去されたミトコンドリア核様体を単離することに成功した。この単離ミトコンドリア核様体を使用し、DNA-セファロースカラムやDNaseなどを用いた解析によりDNA結合タンパク質を調べた。その結果、56kDa、36kDa、34kDaがDNA結合能があることが分かった。それらのタンパク質のN末端アミノ酸配列をペプチドシークエンスにより決定した結果、すべて新規タンパク質であることが分かった。現在、ペプチドマッピングを行い内部アミノ酸配列を調べている。
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