外洋深海生態系における有害物質の蓄積と影響に関する環境化学的研究
Project/Area Number |
00J07781
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies (2002) Ehime University (2000-2001) |
Principal Investigator |
高橋 真 独立行政法人国立環境研究所, 循環型社会形成推進廃棄物研究センター, 任期付研究員
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 深海生物 / 有機スズ化合物 / 有機塩素化合物 / 内分泌撹乱物質 / PCBs / HCHs / トリフェニルスズ / 鉛直的分布 |
Research Abstract |
本年度の研究実績を以下にまとめる。 1,有機スズ化合物の分析法を改良し、使用溶媒量を削減するとともに、従来分析してきたブチルスズ化合物(モノ,ジ,トリブチルスズ)に加え、フェニルスズ化合物(トリフェニルスズ)およびオクチルスズ化合物(モノ、ジ、トリフェニルスズ)の同定・定量を可能とした。また、高脂肪分含有試料を対象とした高感度・高精度な分析法を開発した。これら分析法の改良により、従来法に比べ多様な生物試料を対象に、多種類の有機スズ化合物を安全かつ迅速に同定・定量することが可能となった。 2,東シナ海より採取した外洋性の浅海・深海性生物を対象に、現在内分泌撹乱物質として注目されている有機塩素化合物および有機スズ化合物の分析を行った。本年度は有機スズ化合物に関する結果をとりまとめ、国立科学博物館の年度報告書にその成果を報告した。この調査の結果、有機スズ化合物による汚染が東シナ海の外洋域にまで拡がっていることが明らかとなった。とくにトリフェニルスズ化合物による深海生物の汚染に関しては、本研究が世界初の報告例と思われる。 3,東北沖、駿河湾、土佐湾で行ってきた一連の調査結果をまとめ、日本近海〜外洋域における有害物質の水平的、鉛直的分布の態様と挙動について包括的な解析・考察を行った。その結果、親潮域である東北沖と黒潮域である駿河湾・土佐湾では、有機塩素化合物の鉛直分布に異なる傾向が認められた。またその傾向から、PCBsなど粒子吸着性の高い物質は、寒冷な親潮域で深層に輸送されやすく、HCHsなど揮発性の高い物質は、黒潮域では海洋表層からの蒸発が、親潮域では大気から海洋表層への沈着が卓越することが示唆された。以上の研究成果を、国内外の学会や学術誌に発表した。 4,昨年度に引き続き有害化学物質による広域的な海洋汚染を把握するため、二枚貝やカツオを指標生物としたモニタリングを行い、成果の一部を国内外の学会や学術誌に発表した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)