Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
1.クルマエビ脱皮制御ホルモン(MIH)の測定系の確立昨年度、大腸菌で発見させた組換えクルマエビMIHに対する抗体を用いて、競合ELISAによるクルマエビMIHの測定系を確立した。本年度はさらに感度をあげるべく、二抗体サンドイッチELSA法によう測定系の確立を試みた。しかしながら、検出限界は昨年度確立した競合ELISAとほぼ同程度の50pg(5fmol)/wellであった。今後、より感度の高い標識法の検討や、より親和性の高い抗体を新たに作製するなどの工夫が必要と考えられた。2.クルマエビMIH様ペプチドのcDNAクローニングごく最近、香港の研究グループによりMIHと相同性を有するペプチドがクルマエビに存在することが示唆された。そこで、そのMIH様ペプチドをコードするcDNAをRT-PCR、3'-および5'-RACE法を用いて単離した。その結果、このペプチドはクルマエビMIHと68%の相同性を有していた。次に、MIH様ペプチドの組織別遺伝子発見をRT-PCRにより調べた。その結果、MIH様ペプチドは眼柄、胸部神経節、腹部神経節などの神経組織で遺伝子発現が観察された。3.クルマエビMIH様ペプチドの生物活性単離したMIH様ペプチドのcDNAを加工し、発現ベクターに組み込み、大腸菌を用いて組換えMIH様ペプチドを発現させた。得られた組換えMIH様ペプチドはin vitro培養系におけるY器官での脱皮ホルモン(エクジステロイド)の合成を抑制したものの、その活性はMIHと比べて約1/10と弱いものであった。このことから、クルマエビのMIH様ペプチドは生体内で脱皮抑制ホルモンとして働いているのではなく、何か他の生物活性を担っている可能性が高いと思われた。
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