初期イスラーム時代のアラブ=ムスリム社会における系譜集団の構造と機能
Project/Area Number |
00J08283
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
高野 太輔 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 初期イスラーム / アラブ / 系譜 / 部族 |
Research Abstract |
まず本年度は、これまでの研究成果を「初期イスラーム時代のアラブ系譜集団」と題し、日本オリエント学会第44回大会(2002年10月20日)において発表した。この報告では、各種のアラビア語系譜学書に書き出されたアラブ系譜体系の具体的な特徴を順々に紹介すると共に、北アラブ系カイス・アイラーン族の一派であるガタファーンGhatafan族の系譜構造を例として、アラブの系譜体系が整理されてきた過程の再構成を試みた。本発表は、初期イスラーム時代におけるアラブの系譜体系が、個別の系譜群を系譜の上位に向けて統合することによって成立したという研究代表者の主張を、最終的に証明するものである。 また、本研究によって得られた知見をもとに執筆した研究ノート「ハワーリジュ派の騎士シャビーブの反乱」を『オリエント』第45巻2号(2003年3月予定)に発表した。同研究ノートは、ウマイヤ朝時代の中期に勃発したシャビーブ・アルハルーリーShabib al-Haruriの反乱について、その通時的経過と社会的背景を分析したものである。従来の研究が、ハワーリジュ派の思想的特徴および政治党派としての位置に注目してきたのに対し、本研究では反乱に参加した主要人物の構成を分析することによって、それが系譜集団化理論に支配されていた側面のある事実を指摘した。 さらに未発表の研究成果として、(1)アラブ系譜学史の発展過程に関する分析、(2)北アラブ系ラビーア族の系譜が確立した過程の再構成、(3)系譜集団の単位性に関する分析、などを行った。これらの研究内容についても、順次、学術雑誌に投稿していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)