Project/Area Number |
00J08310
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine (2002) The University of Tokyo (2000-2001) |
Research Fellow |
宮崎 裕明 京都府立医科大学, 医学部, 助手
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ティラピア / Cl^-channel / OmClC-K / paracllular pathway / claudin |
Research Abstract |
ClC Cl^-channelやtight junction構築タンパクであるclaudinを、淡水、海水に容易に適応できる優れた浸透圧適応能を有するティラピア(Oreochromiss mossambicu)の鰓と腎臓からクローニングし、それらの分子が浸透圧調節にどのように関与しているかを調べた。魚類では腎臓は主に水分量調節に関与しているが、イオン輸送の分子メカニズムの解析は全く進んでいなかった。そこで、魚類の腎臓の機能を分子レベルで明らかにするため、ティラピアの腎臓から、Cl^-channelのクローニングを行った。その結果、腎臓からはOmClC-KというCl-channelの同定に成功した。腎臓からクローニングしたOmClC-KのmRNAの発現分布を調べた結果、淡水中で飼育したティラピアの腎臓にのみ発現が確認できた。OmClC-Kに特異的な抗体を作製し、免疫組織化学法を用いて局在を調べたところ、遠位細尿管特異的にこの分子が発現していることが証明できた。また、電子顕微鏡観察により遠位細尿管の基底側の細胞膜上にOmClC-Kが分布していることを証明した。従って、淡水魚では、腎臓の遠位細尿管でOmClC-Kが原尿からCl^-を再吸収することにより低張尿を作り、余分な水分を排出していると考えられる。 これまで生理学研究の中心的テーマであったイオンチャンネルやトランスポーター等の輸送体は、細胞そのものを横切る輸送ルート、いわゆるtranscellular pathwayでのイオン輸送に関与している。一方、Na^+の排出は主として細胞間隙を通るparacellular pathwayを介すると考えられている。このparacellular pathwayを介した物質輸送には選択性があり、その選択性は細胞間接着構造のひとつであるタイトジャンクションにより規定されると考えられているが、その選択性のメカニズムに関する手がかりを得ることはきわめて困難であった。しかし、近年、タイトジャンクションを構築するタンパクであるclaudinが、paracellular pathwayのイオン選択性や透過性を規定していることが哺乳類を用いた研究で明らかになってきた。そこでティラピアの鰓と腎臓からクローディンのクローニングを試み、現在までに4種類のクローディンを同定することに成功した。その内の1種であるOmClaudin-aは腎臓、腸および膀胱で発現が多く、特に腸では海水中で発現量が増加していることが明らかになり、腸におけるイオンと水の吸収への関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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