Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
これまで,ウナギの回遊生態を浸透圧調節機構の観点から解明することを目的として,鰓および体表皮に存在する塩類細胞に着目して研究を行ってきた。 本年度はまず,ウナギ初期生活期の浸透圧調節機構を明らかにするために研究船によるウナギ仔魚(レプトケファルス)の採集調査を実施した。これまでは,ネット採集時に魚体が損傷してしまう個体がほとんどであり,体表皮の塩類細胞を検出は不可能であった。しかし,幸運にも全長17から30ミリの非常に状態の良い標本を得ることが出来た。これらの標本の鰓および体表皮に抗Na^+,K^<+->ATPase血清を用いた免疫組織化学的染色を施し,塩類細胞の検出を試みた。その結果,鰓の塩類細胞は発育初期の個体には全く認められず,全長30ミリに達すると初めて出現することが明らかとなった。また,体表皮の塩類細胞はすべての個体に多数認められることが初めて明らかとなった。これまでのレプトケファルスは鰓が未発達である,浸透圧が海水とほぼ等しい,塩類細胞が存在しない,との報告があり,浸透圧調節能を有しないと考えられてきた。しかし,本研究により,レプトケファルスが稚魚,成魚と同様な浸透圧調節能を有する可能性が強く示唆された。 河川内における銀ウナギ採集調査では黄ウナギは多数採集されたが,銀ウナギは採集個体数が少なかった。しかし,これまで採集個体数が少なかった比較的大型の個体を得ることが出来た。 今年度以前に採集した個体の採集時期,成熟度,外部形態の結果と併せて,銀ウナギの回遊生態の解明に寄与する結果が得られてると考えている。
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