黒潮フロントおよびフロント渦が魚類の再生産に果たす役割の解明
Project/Area Number |
00J08426
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Nagasaki University (2001-2002) The University of Tokyo (2000) |
Research Fellow |
岡崎 雄二 長崎大学, 水産学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 東シナ海 / 黒潮フロント / 仔魚 / 餌料環境 |
Research Abstract |
本年度は、昨年までに東シナ海陸棚縁で収集した試料・データの解析を進めながら、新たに同海域の黒潮フロント近傍に投入した漂流ブイ(ドローグ水深:約10m)の追跡を行い、海洋構造および仔魚とその餌料生物の変動過程についての現場観測を行った。 陸棚上の黒潮フロント近傍に投入した漂流ブイは、フロントに沿って流されながら、フロントの離岸に伴い陸棚外に輸送された。この際、陸棚上の中層(水深50〜100m付近)に存在していた低塩分水塊を陸棚外の黒潮フロント域中層へ引き込む様子が捉えられた。このときのカイアシ類ノープリウス密度の時間変化にとくに大きな変動は見られず、陸棚水の張り出しが弱いためか全体にノープリウス密度は低い傾向にあった。さらに、ボンゴネットの傾斜曳きによる仔魚採集の結果、ハダカイワシ属、エソ科、サイウオ属、ヒメスミクイウオ、ワニギス、ハゼ科、ソウダガツオ属の仔魚などが比較的多く採集されていたが、2001年度の採集結果との大きな違いは認められなかった。ブイ追跡の経過時間に伴い仔魚密度は減少していたがその種組成には大きな変化はなく、基本的にブイ投入点付近の陸棚上の水塊を追跡したものと考えられた。このような黒潮フロントの離岸に伴う陸棚中層水の沖合へ引き込み作用や2001年の調査で観測された黒潮フロントから派生する表層暖水舌の陸棚上への張り出しは、陸棚縁付近の仔魚の分布や輸送を考える上で重要な働きがあるものと考えられる。 これまで3カ年の調査結果を総合すると春季の東シナ海陸棚縁海域では、黒潮フロントと塩分フロントの二つのフロント構造が見られ、これらのフロントが仔魚およびその餌料生物の分布に大きな影響を及ぼしていることが分かってきた。このことは、陸棚縁付近に形成されるフロントの変動が、この海域に出現する仔魚の輸送条件や餌料環境を通してその生き残りを左右する重要なメカニズムであることを示唆している。 以上の成果の一部についてはすでに学会で公表しており、またこれまでに本州南岸の黒潮や黒潮続流のフロント域で収集した試料・データの解析結果についてもその一部が学会誌に掲載された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)