Project/Area Number |
00J08462
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
宮本 直美 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ドイツ文化 / 教養市民層 / ナショナリズム / 歴史社会学 / 音楽社会学 |
Research Abstract |
本研究は19世紀ドイツの教養市民層を主な対象として、音楽芸術への信頼とドイツ文化への信頼がいかに内在的結びついていたかを解明しようとするものである。これはドイツのビーレフェルト大学の教養市民層研究プロジェクトに新たな知見を加える、歴史社会学的な考察となる。 今年度は、教養市民層問題と概念史、ドイツにおける教育制度および資格社会問題、教養理念の概念史、近代美学と芸術的天才の信仰、芸術音楽への信頼の成立といった、これまでの数年間従事してきた論点を総合することを試みた。それにより、従来の研究方法においては別個に扱われてきたこれらの問題群には論理的・必然的な関係が潜んでいたことを解明し、音楽芸術への信頼とドイツへの信頼が結びついていたメカニズムを、「本来性」という独自の分析概念を提起することによって明らかにした。これらの、一見無関係と思われる諸現象には、明確な定義を拒む非規定性を共通に見出すことができ、非規定的な状態の中に現状否定的なユートピアを夢想するのが「本来性」の思想である。これは19世紀ドイツの様々な領域に確認でき、そうした思想はドイツ民族の本来的なあり方への信頼にも結びつくこととなった。今年度の研究は、論文にまとめて所属する研究機関に提出した。
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