Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度に私が重点的に行なったのは、X線天文衛星「チャンドラ」の高空間分解能観測による超新星残骸での宇宙線加速の研究である。昨年、X線天文衛星「あすか」の観測データを解析することにより、硬いスペクトルをもつ特徴的なX線放射源を発見した。本年は、われわれがチャンドラ衛星に提案した追観測が行なわれ、この新しい観測結果を裏付ける結果を得た。一方でCANGAROOチェレンコフ望遠鏡でのTeVガンマ線の発見により非常に注目されている超新星残骸RX J1713.7-3946のシンクロトロンX線放射のチャンドラ衛星による観測データを解析し、フィラメントやホットスポットといった内部構造を発見した。この結果が、超新星残骸における粒子の加速、伝播、そして放射の理解に新しい問題を提起するものであることを指摘した。以上の成果を、専門誌(Publications of the Astronomical Society of JapanおよびAstronomy & Astrophysics)上、および米国エール大学でのYCAAセミナーで発表した。また超新星残骸からの非熱的放射はX線のみならず、多波長にわたって研究することが重要であり、特に高エネルギーガンマ線での探査が鍵となって来る。そこで、マックス・プランク核物理研究所を訪問し、TeVチェレンコフ望遠鏡チームとの共同研究を前年度に引続き行なった。
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