Project/Area Number |
00J09601
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
細川 武稔 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 室町幕府 / 仏教 / 寺院 / 祈祷 / 京都 / 禅宗 |
Research Abstract |
1、室町幕府と宗教との関係を明らかにするため、足利将軍家をめぐる祈祷体制について、前年度の将軍家護持僧に引き続き、禅宗を対象に分析した。禅宗の祈祷は、雨に関するものや将軍等の不例(病気)に際してのものが多く、天変地異を主に担当した顕密諸宗とは、明確な線引きがなされていたとまでは言えないものの、ある程度の役割分担をしていたらしいことがわかった。また、禅宗の祈祷は、五山官寺制度に基づくものよりも、将軍家菩提寺の相国寺を中心とした体制でおこなわれており、祈祷をおこなう寺院が京都とその周辺に集中していたこととあわせ、室町幕府の大きな特徴とすることができると判断するに至った。 2、室町将軍家の祈願寺を100ヶ所以上検出した。鎌倉幕府の関東祈祷寺を継承しつつも新たに認定をおこなったこと、中小寺院を認定するという面では同時期の勅願寺と共通していること、全国的に分布しているが、時期が下ると京都とその周辺が多くなることなどがわかった。京都などへの旅行で、祈願寺に関する原文書を確認することもできた。 3、中世の仏教に関して通説化している顕密体制論が、中世の多様な実態を明らかにするには必ずしも有効ではなく、限界があるということを認識し、今後は個別寺院の研究に力を入れていく必要があると考えるようになった。具体例として、京都東山の清水寺と東岩蔵寺について分析した。清水寺では、将軍参籠の際宿所となったのは門前の宝福寺(禅宗)であったり、東岩蔵寺では、密接な関係にある観勝寺と光明院が東山の他の場所にあるなど、複雑で多様な性格の一端が判明した。
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