社会的マイノリティのアイデンティティと公共性に関する研究
Project/Area Number |
00J09651
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
星加 良司 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 日本学術振興会特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 障害の社会モデル / ディスアビリティの解消 / ディスアビリティの更新 |
Research Abstract |
社会的マイノリティの問題を考える上で、「障害学」の知見はきわめて示唆的である。「障害学」は「障害」を個人の身体に纒わる医療の対象として捉える「個人モデル」・「医療モデル」を批判して、「障害」を社会的文脈の中で把握する「社会モデル」の知見を提供した。そして、この「社会モデル」のインパクトは「障害」をめぐる社会学的アプローチを要請するものでもあった。一般に、社会的マイノリティに関する研究は、少なくとも2つの水準で「社会学的」である。それは、当該のマイノリティがまさに「社会的」な存在であることと関連する。まず、彼らは社会の中で少数派の集団であり、そのことから直接的・間接的に不利益を被る蓋然性が高いという意味で、「社会的」マイノリティである。次に彼らがマイナーであるとされる当の属性や特性が、社会によって構築されるという意味で、彼らは「社会的」マイノリティである。 特にこの最後の点に関連して、「障害者」あるいは「障害」をめぐる議論は興味深いものとなる。「社会モデル」はこの「社会性」に照準して、「障害」を理念的には完全に解消可能なものとして捉え、実践的にもそのような志向性を持った運動の展開に貢献してきた。しかし「障害」が社会的な価値体系との関連で生じていることを踏まえると、ある特定の個別の「障害」を社会的に解消することは論理的に可能であっても、そこで目指された新たな社会の構想もまた不可避的に別様の「障害」を更新せざるを得ないのであり、そこでいかなる価値を前提とした社会を選択するのかといったことが問われることになる。本研究において、こうした問題設定の必要性を指摘するとともに、その問題への一定の回答を準備することに貢献し得たものと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)