Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
Akt/PKBはアポトーシス回避や血管保護作用などに関与するセリン・スレオニンキナーゼである.Aktの活性の時間・空間情報を得るための蛍光可視化プローブの開発を行った.Aktによるリン酸化を検出するために,Aktによるリン酸化が構造変化を誘起し,その構造変化をシアン・黄色の蛍光蛋白質(CFP・YFP)間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)により検出するという分子を設計した.Aktの標的基質蛋白質であるBadのAkt基質ドメインと,そのリン酸化したAkt基質ドメインと結合する14-3-3蛋白質をリンカーで結んだ分子のN・C末端にCFP・YFPをそれぞれ連結した蛍光プローブを作製した.このプローブを内在性のAktの基質である内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)やBadと同じ細胞内局在を持たせることにより,目的の基質のリン酸化を選択的かつ高感度に生きた細胞内で測定することが可能である.そのためeNOSと同様の局在をとるようにeNOSのゴルジ局在化ドメインを,またBadはミトコンドリア外膜に局在をとることがわかっているためミトコンドリア外膜局在化ドメインを,それぞれ作製した蛍光プローブに連結させた.ゴルジ体に局在させたプローブは内皮細胞内で17β-エストラジオール(E2)とインスリンに対して応答し,ミトコンドリア外膜に局在したプローブはE2に対して応答したがインスリンに対しては応答しなかった.一方,細胞質に拡散している局在化シグナルをつけていないプローブはE2またはインスリンに対して応答しなかった.これらの結果から活性化したAktは細胞質に拡散しているのではなく,ゴルジ体やミトコンドリアなどの細胞内小器官に局在し,それによって基質蛋白質特異性やリン酸化効率を上げていることがわかった.
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