光変調XAFS分光法の開発とそれを用いた光励起状態構造の研究
Project/Area Number |
00J09659
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | XAFS / 光変調法 / 光励起状態 / スピン転移 / 金属錯体 |
Research Abstract |
Lytle型電離箱を用いた蛍光X線収量法による光変調XAFSスペクトルの測定に成功し、その実用性の検証や問題点の洗い出しを行った。従来型のLytle電離箱は応答が遅く、数十Hz以上の可視光変調周波数では実際の信号強度の変調に検出器が十分追随できないことがわかったため、ごく最近SPring-8で開発された高速Lytle電離箱を用いた実験を行った。鉄-ピコリルアミン錯体を試料とし、測定温度と変調周波数を変化させて光変調XANESスペクトルを測定したところ、最低温では変調周波数を速くするにしたがって試料の変化がついて行かなくなることによる強度の単調減少が見られたのに対し、熱によるスピン転移が始まる温度に近い温度で測定したときには、スペクトルに応答速度の異なる2つの成分が存在することがわかった。詳しい解析の結果、これらは光照射に伴って生じる試料の温度上昇の結果、一部が熱スピン転移を起こすことによる遅い成分と、速い光スピン転移の成分であることが示唆され、光変調XAFSスペクトルの変調周波数依存性から、これら2つの成分に由来するスペクトルを分離することもできた。また、光変調XAFS分光法によって得られた光照射に伴うEXAFS変化スペクトルを詳細に検討し、純粋な光照射相のEXAFS関数を得ることにも成功した。振動強度の正確さにはまだ改善の余地が残っているものの、連続光照射では得るのが難しい短寿命種の光励起状態のEXAFSスペクトルを得ることも不可能ではなく、光変調XAFS分光法が光励起状態の研究における便利なツールとなる可能性を示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)