Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
現在、国立天文台三鷹キャンパスで、干渉計型重力波検出器の開発が進められている。TAMA300は重力波に対する感度を着実に向上してきている。この感度は、鏡の熱雑音によって制限される。その低減は、技術的に克服しなければならない重要な課題である。観測帯域における熱雑音の振幅は、鏡の機械損失に比例することが知られている。従って、研究代表者は、いかに機械損失の小さい鏡を実現するかという課題に取り組んでいる。また、鏡の熱雑音は理論的に予言されているだけのものであったため、それを直接検証するという課題にも取り組んできた。干渉計の鏡材料は、溶融石英が有望視されている。研究代表者は、高品位の溶融石英の機械損失を測定する実験を行った。溶融石英の製法によって機械損失の大きさが異なること、溶融石英の機械損失には周波数依存性があることなどを発見した。また、世界で最も機械損失の小さい溶融石英を見出した。これらの結果は論文として発表された。熱雑音自体の直接測定の実験においては、レーザの周波数を固定光共振器にロックし、高い周波数安定度を得た。この光を二つの短基線長Fabry-Perot共振器に入射し、共振器をレーザ光に対してロックした。地面振動、散射雑音、周波数雑音などを抑圧し、感度の向上を行った。ここで測定を試みた熱雑音は、Brownian noiseとthermoelastic noiseという二つの熱雑音である。前者は光学ガラスBK7、後者はフッ化カルシウムを用いることで検証を行った。両者において三桁にわたり、鏡の熱雑音を測定することに世界で初めて成功した。測定された熱雑音は理論的な予言と一致していた。これらは論文として投稿予定である。構築された干渉計ではさらに小さな鏡の熱雑音を直接測定できる。これは、実際の重力波検出器のためのテストベンチとして、重要な役割を果たしていくことになる。
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