概日時計発振系におけるMAPキナーゼのリン酸化リズムの役割
Project/Area Number |
00J09697
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
眞田 裕子 (原田 裕子) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 概日リズム / MAPキナーゼ / リン酸化 / Cryptochrome / 時計遺伝子 / 日周変動 / 視交叉上核 / 転写抑制 |
Research Abstract |
脊椎動物の網膜・松果体・視交叉上核は概日時計システムの中枢として機能しており、概日時計は単一細胞内で時計遺伝子の転写・翻訳を介した負のフィードバックループを基本骨格として発振している。最近、時計蛋白質のリン酸化などの翻訳後修飾が時計発振に重要な役割を果たしていることが示唆されているが、この点に関しての研究はあまり進んでいない。私は、時計組織においてMAPキナーゼ活性が日周変動すること、さらにMAPキナーゼの活性変動が概日リズムの形成に極めて重要な役割を果たしていることを見出していた(J. Neurosci.,20:986,2000;J. Biol. Chem.,275:37078,2000)。そこで、概日時計発振系におけるMAPキナーゼのターゲット分子を同定しようと試みた。その結果、MAPキナーゼが哺乳類培養細胞においてマウスCryptochrome(mCRY1およびmCRY2)と結合すること、およびMAPキナーゼがmCRY1およびmCRY2をin vitroでリン酸化することを見出した。さらに、このリン酸化mCRYをトリプシン処理し、得られたペプチド断片を質量分析に供することにより、mCRY1のSer247およびmCRY2のSer265/Ser557がリン酸化されることを明らかにした。次に、リン酸化によるmCRYの機能調節の可能性を検討するため、各リン酸化部位のAsp置換体(リン酸化状態を模倣する変異体)を作製した。その結果、野生型mCRY1およびmCRY2はmBMAL1:mCLOCKを介した転写活性化を強く抑制するのに対して、mCRY1(Ser247Asp)変異体およびmCRY2(Ser265Asp)変異体の転写抑制能は、それぞれ野生型に比べて低下することを見出した。以上の結果から、MAPキナーゼはmCRY1のSer247およびmCRY2のSer265をリン酸化し、その機能を制御していると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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